この文章を読んでいる方は、さまざまな業界で働いている社会人の方が多いのだろうな、と思います。その中で、不動産業界に勤めている人はいませんか?そうなると、「宅建」という言葉は聞いたことがあると思うのです。

これは、資格の名前で、正式には「宅地建物取引主任者」といいました。過去形になっているのは、平成27年度から資格の呼称が変更になり、「宅地建物取引士」という名前になるからです。

名前こそ変わりますが、試験の基本的な内容は大きくは変わらないので、従前の「宅地建物取引主任者」のデータをもとにお話を進めていきます。最初に、この資格を持っているとどんなことができるのか説明しましょう。

大雑把に言ってしまえば、「不動産の契約に関する事項を一手に引き受けることができる」ということです。お客様に対する重要事項の説明、重要事項や契約に関する書類への記名押印などは、この資格がないとやってはいけません。

そのため、基本的には、不動産関連のお店には必ず1人はこの資格を持った人がいなければいけません。(資格を持っている人がいる、ということで、証書があるはずです。)そのため、不動産業界では必須の資格となっているのです。

それでは、この宅建、どうやって勉強すれば、うまく合格することができるのでしょうか?まず、この試験の合格率は15%程度です。決して高い数字ではありません。むしろ資格としては難しい部類に入ります。

ここまで難しいと、効率的なのはスクールに通うことですが、社会人の方だったら、「そんな時間ないよ」という人も多いかもしれません。そこで、独学でやる場合のポイントをお伝えします。

まず、「理解してから覚えるようにする」ということを心がけてください。宅建は法律の条文がたくさん出てくるので、法律に慣れていない人にとっては、かなり難しい試験となっています。

たまに、条文を丸暗記しようとしている人がいますが、それは無駄な努力なので、やめておいたほうが無難です。条文の知識を自分のものにしたいなら、まずは理解することに勤めてください。
つまり、「この条文はこんなことを書いているんだな」ということを、簡単な言葉で説明できるようにするといいのです。「この条文が言いたいことを一言で言うと?」とまとめてみるのも手段としては有効でしょう。

次に、「問題に触れる機会を1分でも増やす」ことがあげられます。宅建はメジャーな資格なので、参考書や問題集はたくさんいいものが出されています。また、それらを基にしたスマートフォンのアプリもたくさんリリースされています。

こういった「便利グッズ」を使って、問題に触れる機会を少しでも増やしましょう。問題演習をやりこむことで、知識が深まり、知識が深まることで、見たことがない問題にも対応できるようになるのです。

問題演習をすればするほど、知識が自分のものになっていくのを実感できれば、合格はすぐそこに近づいてきます。自分の勉強の方向性に迷ったら、「今まで勉強してきたことを自分のものにできているか」ということをしっかり見据えましょう。