この前、何気なく派遣社員の仕事の募集サイトを見ていたのですが、「経理事務」の仕事の募集が多いことに本当に驚きました。でも、冷静に考えてみれば、当たり前のことですお金を扱わない会社はありません。

ということは、それを管理する財務や経理の部署はどの会社でも必要になってくるのです。それが経理の仕事の募集を多くさせている理由でしょう。さらに、興味があったので募集条件を見たところ「未経験者も可。ただし簿記検定(の資格)を保有していること」とありました。

早い話が、「未経験者だったら簿記の資格を持っていないと応募もできないよ」ということです。でも、裏を返せば「簿記検定を持っていれば、応募はできるよ」ということになりませんか?

と、いうことは、簿記検定を持っていると経理事務の仕事に就きやすくなる、ともいえるのです。そこで、ここでは簿記検定の試験制度ど勉強法についてお話したいと思います。読み終わったら、「ちょっとやってみようかな」という気分になれますように。

・簿記検定とはどんな試験?
実をいうと、簿記の検定試験を主催している団体はいくつかあります。ただし、普通に「簿記検定」といった場合、日本商工会議所が主催する簿記検定を指すことがほとんどです。略称ば「日商簿記検定」なので、以下においてはこの日商簿記検定を想定してお話を進めます。

日商簿記検定は4級から1級の試験があります。4級は全国でも2千人が受けるかどうか、というマイナーな試験なので、ここでは割愛します。たいていの簿記入門者の方は3級から受験するでしょう。

3級では商業簿記のみが出題されます。これは、個人商店を想定して、取引の仕訳から財務諸表の作成までを行う、という出題です。つまり、3級の時点で財務諸表を作るところまでいってしまうのですね。

2級は商業簿記に加え、工業簿記が加わります。工業簿記は、製造業を想定して、取引の仕訳から財務諸表の作成を行う、という出題がされます。3級に比べると出題範囲が倍になるので、気を引き締めていかなければいけません。

1級はさらに会計学と原価計算が加わり、問題の質、ボリュームともに相当なものになります。税理士や公認会計士など、会計系の難関資格の登竜門ともなっているので、合格するにはかなりの勉強が必要です。

気になる合格率ですが、3級が約40%、2級が約30%、1級が約10%となっています。この数字からも、戦略を立てて勉強していかないと大変、というのはなんとなくお分かりいただけるのではないかと思います。

・勉強はどうすればいい?
ここから先は、独学3級にチャレンジする人を想定して書きます。まず、自分の好みの問題週と参考書、そして、過去問を用意してください。まずは、参考書を一読して、「こういう取引のときにはこういう仕訳をする」ということを理解しましょう。

そして、新しい勘定科目が出てきたら、「これはどういう性質で、財務諸表のどこに書くのか」ということを意識して覚えてください。また、本試験で勘定科目の漢字を書き間違えると点数がつかないので、練習もお忘れなく。

ある程度、そういったことがわかってきたら、繰り返し問題や過去問を解いて、得た知識を自分のものにしましょう。それを繰り返していけば、本試験レベルの実力は自然につくはずです。