私は習い事で空手をやっています。空手の練習をしていて思うのは、「どこが間違いかわからないと、自分の実力はどうやっても伸びない」ということです。たとえば、立ち方が悪いのならそこから矯正しないといけませんし、ほかのことが理由なら、その部分をどうにかしないといけないのはいうまでもありません。

このことは勉強にも言えることです。残酷な言い方ですが、「間違いに目を向けないと成績は絶対に伸びません」ということを最初に言っておきたいと思います。間違い、というのは原因が何であれ、「このことが原因で点数がとれていない」というシグナルですから、ちゃんと見つめないといけません。

自分にとって痛いところをついているようなものなので、勉強を始めたころは間違いノートを作るのも嫌になるかもしれません。でも、それを我慢して作り、日々の勉強に役立てていけば、必ずあなたの成績は伸びていきます。それでは、まず、間違いノートの作り方から簡単に解説したいと思います。

まず、ノートを一冊用意してください。そこに、「日付、使った参考書や問題集、ページ数、間違えた問題の大まかな内容」を書いてください。そして、それを見て「なぜ、自分はここでこの問題を間違えたのだろう?」と分析してほしいのです。具体例がないと難しいと思うので、簿記を例にとって説明しましょう。

簿記の場合、間違える原因としては「勘定科目の選択ミス」「勘定科目の表記ミス」「電卓の操作ミス」「数字の転記ミス」「数字を書く場所のミス」などが考えられます。そのうちのどれに当てはまるのか、考えてみるのです。そして、次にやってほしいことは、「ミスの原因を探ること」。

ミスをした場合、「…ミスしてしまった」と落ち込むのはいいのですが、それだけではなく、「どうしてこんなミスをしてしまったのか」ということを冷静に考えましょう。そういうことを続けていると、だんだんと「自分のミスの傾向」が見えてくると思います。

「知識がないからミスをするのか」「冷静さがないからミスをするのか」など、おおよその原因が見えてくると思うのです。原因がわかればあとは簡単です。先ほど出した簿記の例でいえば、「勘定科目の表記ミス」だったら漢字の書き取りをすればいいし、「電卓の操作ミス」だったら、電卓の扱いに習熟するように頑張ればいいのです。

自分に欠けているものが何か、ということを見つめてこそ、自分をもっと高めることができるのではないでしょうか。それでも、中には「ミスを認めると落ち込むからあんまり間違いノートは作りたくない」というプライドの高い方もいると思います。確かに、自分の間違いを認めるって本当に勇気がいります。

場合によっては嫌な気分になることもあるでしょう。でも、あなたが勉強するのは何のためですか?試験に合格するためですよね。一時のプライドのために、未来の合格を手放してしまうようなことがあったら、それはそれで本末転倒だと思いませんか?